幻覚・妄想はどうして起こるの?


介護のプロ道場、今日のお題は
「幻覚・妄想とその対応」です。

それでは問題です。
幻覚・妄想はきっぱりと否定する。

正解は◯×どちらでしょう?

幻覚・妄想への対応

正解は × でした

【今日の解説 幻覚・妄想とその対応】

幻覚も妄想も、本人にとっては事実と感じていることなので、きっぱり否定をしてしまうと本人が混乱してしまうことがあります。きっぱりと否定するのではなく、幻覚や妄想によって本人が困っていることについて寄り添うことが大切です。

幻覚とは、実際には存在しない聴覚、視覚、嗅覚などの感覚を体験してしまう症状です。

認知症で特徴的な幻覚と言えば、レビー小体型認知症の幻視です。
レビー小体という不要なたんぱく質の塊は、特に後頭葉と側頭葉に多くたまります。後頭葉は視覚情報を捉える場所であり、側頭葉はその情報に意味づけを行うところです。

ここにレビー小体がたまると、機能が発揮できないため、見えていないものが見える幻視が起こります。そこに虫がいる、子どもが座っている、など具体的な幻視が特徴的です。

 

その他の変性性認知症や、脳血管性認知症でも、側頭葉の上の方にダメージを受けると、幻聴が起こります。記憶障害や見当識障害も相まって、不安に駆られると、「夫が呼んでいる」「父が帰って来いと行っている」など、安心できるところに居たいという願望が、幻聴につながることもあります。

また、幻聴や幻視に導かれて、どこかに出かけてしまうことも考えられます。日常生活に支障を来すようであれば、一時的にでも薬物療法が必要なこともあります。

孤独感や不安感が背景にあることも多いので、話を聞いたりそばにいたりして、安全を保障し、安心感を持ってもらうことが大切です。

 

「そんなものいない」「そんな声聞こえない」と否定的態度をとると、本人はさらに混乱してしまいますが、幻覚を全て肯定したまま話を進めて行くと、本人が巻き込まれてしまうこともあります。

本人が困っていることを明らかにして、その困っていることに共感する態度を示します。「帰って来いと言われて困っているんですね、一緒にどうしたらよいか考えませんか?」などと言いながら、他のことに気を向ける方法もあります。

 

また幻視は薄暗い状態だと起こりやすいので、幻視を訴えやすい時間帯や環境をよく観察して、照度を高くしたり、明るい所に移動することも有効です。

 

皮膚の中に虫がいるというような幻覚を訴えた場合は、実際に痛み痒み違和感があることが多いので、皮膚の変化が無いか観察し、適切な処置を行います。

 

妄想とは、非現実的なことであるにも関わらず、訂正することが難しい思いこみのことです。記憶障害、見当識障害、判断力の低下や、幻覚が伴うと妄想が強くなります。

物盗られ妄想を始めとして、家族が嫌がらせをする、他の利用者・入居者が自分の悪口を言いふらしているなどといった、家族や近隣の人たちを対象とした被害・関係妄想がみられることがあります。

これらの妄想に関しても、頭から否定するのではなく、困っていること、つらい気持ちをゆっくり聞くようにするとよいでしょう。

それでも疑われたり、悪く言われたりすることは、家族や介護職にとってもストレスを感じます。一人で抱え込まず、他の人と相談したり、気分転換ができるような環境を整えたいものです。


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