介護のプロ道場、今日のお題は
「行動を変えるための段階」です。
それでは問題です!
運動しない人には、とにかく運動しろと言い続ける。
正解は◯×どちらでしょう?
正解は、× でした!
【今日の解説 行動を変えるための段階(行動変容ステージモデル)】
人が行動(生活習慣)を変える場合は、「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通ると考えられています。
対象者が現在どのステージにあるかを判断し、そのステージに応じた働きかけをすることで、行動を変えやすくなると言われています。
それでは、肥満気味で血糖値が高いのだけれども、運動をすることにあまり関心のない事例を元に、各ステージと、そのステージに応じた働きかけをみてみましょう。
1)無関心期:6ヶ月以内に行動を変える気持ちがない時期
・運動不足によってどのような悪影響があるのか、また運動する事でどのような変化が起こるのかを、データを活用して説明します。
・運動不足のままで起こる健康の心配事と、運動をする事で健康面での改善が期待されるという安心感を感じてもらいます。
2)関心期:6ヶ月以内に行動を変える気持ちがある時期
・運動不足のままでいることや、運動をすることが、自分にとってどのような影響があるかを話し合います。(少しずつ運動すれば、体重減少に繋がる、血糖値が下がるなど)
・運動を始めるにあたり、それを阻むものは何かを明らかにします。(運動する時間がない、面倒、など)
3)準備期:1ヶ月以内に行動を変える気持ちがある時期
・運動をする決意を固めてもらい、達成できる目標と実践可能な運動の方法を計画します。(外出した時に10分だけ遠回りする、毎日テレビに合わせて体操するなど)
4)実行期:行動を変えて6ヶ月以内の時期
・運動をはじめたこと、続けている事について賞賛します。
・運動のセルフモニタリングを促します。(カレンダーに印を付ける、定期的に体重を記載するなど)
・運動をはじめて、感じた事を話し合います。
5)維持期:行動を変えて6ヶ月以上経った時期
・実行期の働きかけに加えて、ソーシャルサポートの活用を促します。(地域のサークルや、介護予防事業の活用など)
「何かを変えよう」と思い、行動に移すには、まずそのことに関心を持ってもらえるように働きかける事が大切です。
また、行動を起こしてからも、体調の変化や身の回りの出来事によって、逆戻りしてしまう事もあります。再度どのステージにあるかよく観察して、気長に働きかけていきましょう。