介護のプロ道場、今日のお題は
「脳梗塞後の排便障害」です。
それでは問題です!
脳梗塞後には排便の障害は起こらない。
正解は◯×どちらでしょう?
正解は、× でした!
【今日の解説 脳梗塞後の排泄障害(排便)】
脳梗塞を起こすと、便意を感じない、または肛門を自分の意志でしめて我慢することができない、いきめないなどから、排便障害を起こすことがあります。
排便は次のようなメカニズムで起こっています。
直腸に便がたまると、直腸の壁が押されて伸び、その刺激が脊髄の排便中枢を介して大脳に伝わり、「便意」を感じます。
便意が起こると、腹筋を収縮させ(いきんで)、便を押し下げ、肛門の内肛門括約筋と外肛門括約筋をゆるませて、体外に便を排出します。
脳梗塞の後遺症で、大脳に刺激が伝わらず、「便意」を感じないことがあります。そのため、便秘を起こしやすくなります。
また、麻痺があると、腹圧をかける(いきむ)ことが難しくなるために、便秘になることもあります。
便を出すところをもう少し詳しく見てみましょう。
内臓の筋肉の一部である内肛門括約筋は、意識しなくても、自律神経のはたらきで肛門をしめたりゆるめたりしています。
外肛門括約筋は、体性神経支配といって手や足の骨格筋と一緒で、自分の意思でしめたりゆるめたりすることができます。
便意を感じ、肛門の近くまで便が降りてくると内肛門括約筋はゆるみますが、外肛門括約筋を自分の意志でしめて便をもれないようにしています。
脳梗塞によって、身体に麻痺が起こると、自分の意志で外肛門括約筋をしめることが出来なくなり、便失禁を起こすことがあります。
脳梗塞後には、便意があるのか、排便を我慢できるのか、いきむことができるのかをしっかり観察して、対策を考えることが必要ですね。詳しい対策についてはまた明日!