介護のプロ道場、今日のお題は
「国際生活機能分類(ICF)の基礎知識」です。
それでは問題です!
生活機能とは、日常生活動作(ADL)の事である。
正解は◯×どちらでしょう?
今日の画像ゲストは、おなじみ「介護ラボしゅう」の新しいパンフレット!ピザは頼めませんが、仲間が増えること間違いなし!
正解は、× でした!
【今日の解説 国際生活機能分類(ICF)の基礎知識】
人が生きていくための機能全体を生活機能といいます。
具体的には生命の維持、身体の機能、知覚や認知機能、日常生活動作機能、手段的日常生活動作機能、状況に対応する機能、社会的役割、これらすべてが生きていくための機能です。
これらの生活機能と、それに影響する背景因子で「生きることの全体像」をとらえた概念が「国際生活機能分類:ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)」です。
ICFでは生活機能を3つのレベルに分けて考えています。
1)心身機能・身体構造 (生物レベル、生命レベル)
生命の維持に直接関係する、身体・精神の機能や構造です。
心身機能とは、たとえば手足の動き、精神の働き、視覚・聴覚、内臓の働きなどのこと。身体構造とは、手足の一部、心臓の一部(弁など)などの、体の部分のことを示しています。
2)活動 (個人レベル、生活レベル)
生活上の目的をもち、一連の動作からなる、具体的な行為のことです。
実用歩行やその他のADL(日常生活)だけでなく、調理・掃除などの家事、職業上の行為、趣味やスポーツなどの余暇活動に必要な社会生活を送る上で必要な行為が全て含まれています。
3)参加 (社会レベル、人生レベル)
家庭や社会に関わり、そこで役割を果たすことです。
職場での役割、主婦や親としての家庭内役割や、地域の中での役割、趣味の会やスポーツへの参加、文化的・政治的・宗教的 などの集まりへの参加など、広い範囲のものが含まれます。
心身機能・身体構造、活動、参加という生活機能には、環境因子と個人因子という背景が大きく関わってきます。
・環境因子:建物・道路・交通機関・自然環境のような物的な環境に加え、人的な環境(家族、友人、 仕事上の仲間など)、制度的な環境(医療、保健、 福祉、介護、教育などのサービス・制度・政策)と、ひろく環境を捉えています。
・個人因子:その人固有の特徴で、個性とも捉えられます。年齢、性別、民族、 生活歴(職業歴、学歴、家族歴、等)、価値観、ライフスタイル、コーピング(困難に対処し解決する方法)、など、多岐にわたります。
その人が「生きることの全体像」を捉えようとしているのが、国際生活機能分類(ICF)の考え方です。
明日は、具体的な例を挙げてみたいと思います!