介護のプロ道場、今日のお題は
「よくする介護とは?」です。
それでは問題です!
「よくする介護」は、現在できない事を補う事である。
正解は◯×どちらでしょう?
正解は、× でした!
【今日の解説 よくする介護とは?】
よくする介護とは、現時点の状態だけでなく、将来のよりよい生活機能の状態=目標の実現に向けて、働きかける介護です。
介護によって、不自由な生活行為(活動)を手伝うだけでなく、その人の「生きることの全体像」を捉える事で、生活行為そのものをよくする事ができ、また社会や家庭での役割や楽しみ(参加)も向上させる事ができます。つまり生活機能全体の向上を実現する事ができます。
具体的な例は、前回のメルマガでご紹介しましたが、よくする介護を行うためのポイントを以下に説明しますね。
1)介護の目的は生活機能の向上:介護は目の前の問題点への対応だけではありません。
2)目標設定が重要:目標は個別的かつ具体的で達成可能なものが必要です。またその目標を設定するための、具体的な内容を考えます。
3)よくする観点から「している活動」に働きかける:今「している」活動について、もっとよくできないか、よくするヒントはないかという視点で考えながら介護します。
4)プラス面を引き出す:残存機能だけでなく「潜在的生活機能」を見つけるようにします。役割や趣味、価値観などから本人のプラス面を引き出していきます。
5)廃用性症候群・生活不活発病の予防・改善を重視:先にも述べたプラス面をうまく活用して、生活機能低下の悪循環を呼ぼう改善することを常に考えていきます。
6)チームで働きかける:介護職だけでなく、医療、リハビリ、栄養、ソーシャルワーク、全ての専門職が協同して、役割分担をして働きかけていきます。そのためにICFは「共通言語」として活用できます。
7)利用者・家族との「インフォームド・コオペレーション」:利用者・家族もチームの一員です。利用者の自己決定を尊重し、それを専門職が支援をするという、情報共有に立った協力関係=インフォームド・コオペレーションを確立し、目標設定と介護の実践内容を考えていきます。
介護の出発点は、介護の対象者を全人間的に捉える=生きることの全体像を理解し、把握することです。
常に考えながら介護することで、全体像を把握し、「よくする介護」につなげることができると言えます。
さて、明日からは、日常生活動作それぞれについてお話をしていきたいと思います!