介護のプロ道場、今日のお題は
「高齢者の1日に必要な栄養量」です。
それでは問題です。
年齢問わず、1日に必要な栄養量は同じである。
正解は◯×どちらでしょう?
正解は、× でした!
【今日の解説 高齢者の一日に必要な栄養量】
各年齢によって、必要な栄養量は異なります。エネルギー必要量は年齢と生活活動強度をあわせて提示されています。
それでは日本人の食事摂取基準のポイントを高齢者を中心に見てみましょう。
1)エネルギー必要量
各年齢区分で標準の身長と体重から計算した基礎代謝量と、生活活動強度(低い、やや低い、普通、高い)からエネルギー必要量を考えます。70歳以上で「低い」の活動レベルの場合は、男性1850kcal/日、女性1450kcal/日です。
ちなみに生活活動強度の区分は以下のようになっています。高齢者は生活活動強度「低い」で計算されることが多いのですが、例えば、認知症で徘徊をしている方は「ふつう」に当てはまります。
低い:散歩,買い物など比較的ゆっくりした1時間程度の歩行以外は、座ったり横になったりして過ごす。
やや低い:仕事などで2時間程度の歩行や立位での作業があるが、大部分は座った状態で作業をして過ごす。
適度:「やや低い」に加えて、1時間程度の運動や、比較的強い作業をして過ごす。
高い:1時間程度は激しいトレーニングや運搬などの強い作業をして過ごす。
2)糖質の摂取基準(穀類、いも類、砂糖)
総摂取エネルギーに占める割合で示します。70歳以上では男女とも50〜70%です。
3)タンパク質の摂取基準(魚、肉、卵、大豆・大豆製品)
18歳以上は同じ摂取基準で、男性60g/日、女性50g/日です。高齢者のタンパク質不足が問題になっています。
4)脂質の摂取基準(油脂類、脂肪分の多い食品)
総摂取エネルギーに占める割合で示します。70歳以上では、男女とも20〜25%です。
5)ミネラルの摂取基準
各栄養素に毎に摂取基準が示されています。例えば、カルシウム推奨量は70歳以上では男性700mg/日、女性600mg/日です。
6)ビタミンの摂取基準
各ビタミン毎に摂取基準が示されています。例えばビタミンCは男女とも100mg/日です。脂溶性ビタミンは過剰症があるため、上限量が定められています。
・・・・数値はわかりますが、じゃあ何をどのくらい食べればよいのか、このままではよくわかりませんね。
そこで考えられたのが農林水産省の「食事バランズガイド」です。
食事バランスガイドでは、毎日の食事を 主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物 の5つに区分し、区分ごとに1つ、2つのような単位を使って表現しています。一日あたりの量の目安はこのように表示されています。
主食:ごはん、パン,麺:ごはん(中盛り)だったら4敗程度
副菜:野菜、きのこ、いも、海藻料理など:料理5皿程度
主菜:肉、魚、卵、大豆料理:料理3皿程度
牛乳・乳製品:牛乳だったら1本程度
果物:みかんだったら2個程度
また、高齢者向け解説書としてもPDFでダウンロードできますので、活用してみて下さい!