介護のプロ道場、今日のお題は
「脱水を予防するためのポイント」です。
それでは問題です。
食事以外に1000〜1500mlの水分摂取が必要である。
正解は◯×どちらでしょう?
正解は、◯ でした!
【今日の解説 脱水を予防するためのポイント】
高齢者に必要な1日の水分量の目安は、食事以外に1000〜1500mlが目安です。
そもそも、身体の中での水分の役割は、このような働きがあります。
・食物を消化する際に、さまざまな酵素が働きやすいようにする。
・栄養物やホルモンなどを溶かし、血液を介して身体に運搬する。
・身体の中で生じた老廃物を、尿または糞便として排泄しやすくする。
・汗をかいて体温調節をする。
1日に必要な水分量は、その人の活動量によっても違いますが、通常の生活をしている場合、成人は50ml/kg、高齢者は40ml/kgと言われています。
体重が60kgの高齢者は、1日あたり2400mlの水分が必要ですが、食事にも水分は含まれています。
活動レベルの低い高齢者の、1800kcalの食事の中には、約1300ml程度水分が含まれているため、食事以外に1日あたり約1000mlの水分摂取が必要です。
ただし、高齢者は元々体内の水分量が少ないため、汗をかいたり、下痢をしたりして水分が失われると、脱水に陥りやすい状況にあります。吸収機能も低下しているため、脱水状態になってからの水分摂取では、回復が遅れがちです。
脱水を疑う身体の変化としては、元気が無い、口唇や口の中が乾く、尿の回数が少なくなる、皮膚に弾力がない(手の甲の皮膚をつまんでみても、元に戻らない)、微熱がある、などがあります。
しかし、大きなペットボトルを目の前にすると、飲む気も薄れるものです。
脱水を予防するためには、食事以外に1000〜1500mlの水分を、こまめにとるように努めます。いつも使う湯飲み茶碗やコップにどのくらい入るか、あらかじめ測っておくといいですね。
例えば、起床時、毎食事時、間食時、入浴前後、就寝前など時間を決めておいたり、本人の好みの水分が摂れるように準備したりします。
それと、水分が失われることを防ぎます。夏は発汗が多いので、室温や衣類の調節をしましょう。また、下痢嘔吐の予防のために、感染予防対策をすることも必要です。
下痢を起こした際には、速やかに水分摂取にをすすめます。嘔吐後は、1時間くらい胃を休めてから、少量ずつ水分摂取を始めると、嘔吐を誘発しないですみます。
心臓病や腎臓病などで、水分制限がある場合には、医師の指示を確認しましょう。
普段からの水分摂取習慣をつけることと、脱水が疑われるような変化が見られた場合には、速やかに医療従事者に報告するとともに、経口補水液なども活用しながら、水分摂取に努めます。(ただし、経口補水液には、糖分も多く含まれていますので、糖尿病がある方には注意が必要です。医療従事者に確認をしておきましょう)